血液学向け顕微鏡ソリューション
ラボの顕微鏡アプリケーション

血液学向け顕微鏡ソリューション

血液の科学・研究

血液学は血液、造血器、血液疾患を取り扱う科学・研究です。血液学者は臨床業務の中で、血友病、白血病、リンパ腫、鎌状赤血球貧血など、血液に関する疾患や悪性腫瘍の診断と治療を行います。血液学は血液に関する疾患の生理学、病理学、病因学、診断、治療、予後評価、予防を対象とする内科学の一分野です。

血液は、赤血球、白血球、血小板、血漿などの成分で構成されています。すべての血球は骨髄の多能前駆細胞から造血されます。

赤血球は円盤状で血液全体の45%を占めています。酸素を肺から体内の組織や臓器に運び、同時に二酸化炭素を肺に戻して呼気中に排出させます。白血球は免疫系の細胞で、感染症や異物から体を守る働きをします。血小板は小さな無色の断片です。凝集した血小板と凝固因子の相互作用によって、血管損傷に伴う出血が止められます。白血球と血小板は血液全体の1%未満に過ぎません。血液の液体成分である血漿は、92%の水分と、重要なタンパク質、無機塩、糖、脂肪、ホルモン、ビタミンを含んでいます。

血液学者はルーチン作業として、スライドガラスと顕微鏡を使って末梢血塗抹検査を行い、血液疾患や、マラリア・フィラリアなどの寄生虫感染症の異常所見がないか確認します。末梢血塗抹はメタノールでスライドに固定され、様々な種類の細胞を区別できるように染色されます。血液学では、赤血球、白血球、血小板の異常を見つけるために、ロマノフスキー染色であるライト染色、ギムザ染色、またはその組み合わせが使われます。単層に広げられた様々な種類の細胞の観察や計数には、最大1,000倍の倍率の光学顕微鏡が使われ、結果はデジタルカメラで記録されます。こうすることで、種々の貧血や白血病、熱帯熱マラリア原虫の輪状体を同定することができます。末梢血塗抹の顕微鏡観察に骨髄検査が追加されることもあります。

血液学向け顕微鏡ソリューション

顕微鏡の要件

血液学者が末梢血塗抹を観察する際、通常は20倍や10倍の低倍率の対物レンズを使います。赤血球や白血球のおよその密度とともに、赤血球の色や形態と細胞内介在物の有無を確認します。高倍率(通常は60倍や100倍、骨髄では時に40倍)では、白血球百分率の手動計数や、赤血球や白血球の形態、細胞内介在物や寄生虫の有無を検査します。血液学においては、細胞の種類を明確に区別し、明瞭な詳細を観察することが必須です。そのため、血液学者は、微細な顆粒、アウエル小体、核膜不整、核の分葉などの詳しい形状を確認するために、鮮明な画像を必要とします。

さらに、末梢血塗抹や骨髄検体の観察では良好な色再現性が重要です。明視野での観察に加えて、試料によっては位相差や偏光による観察も行われます。血液染色では、試料の透明度が高くなり、細胞の特徴を具体的に染色できる一方で、患者検体のスクリーニングに多大な影響を与えるのは、顕微鏡の光学的品質、付属カメラによるデジタルドキュメンテーションの正確さ、人間工学に基づく機器の設計です。

アプリケーション例

ZEISS Axiolab 5で取得
血管、明視野ZEISS Axiolab 5で取得
ライト染色。
カバーされていない血液塗抹、明視野、ライト染色
ZEISS Axioscope 5で取得
骨髄、明視野ZEISS Axioscope 5で取得
ZEISS Axioscope 5で取得
骨髄、明視野、アウエル小体ZEISS Axioscope 5で取得

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