
対物レンズとカメラの間に配置されたマルチレンズアレイが37枚の個別画像を生成し、すべての3D情報を同時に取得します。
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Lightfield 4Dは、高速に、瞬時の立体画像イメージングを実現します。ワンショットで広範囲の3D情報を取得し、ボリュームデータ中の時間差を解消します。史上初、最大80ボリューム/秒の速度で生体全体の高速な動きを捉え、時間および空間情報の両方を完全に保持します。幼生の動き、鼓動する心臓、流れる血液、神経細胞の発火を、これまでにない速さで3Dで観察し、生命の秘密を解き明かすことができます。
生命は動き続けます。多くの神経的および生理的プロセスは非常に高速で進行するため、その時空間的ダイナミクスを正確に捉えることは困難です。従来の技術は高速化していますが、必要な取得時間は依然として試料の量に比例して増加するため、神経細胞の活動や心拍のような高速過程では、ボリューム情報と画像フレームレートの間で妥協が必要となります。しかしLightfield 4Dを使用すれば、1秒あたり最大80ボリュームを遅延なく3Dで捉えることができるため、もう妥協する必要はありません。これにより、ゼブラフィッシュの脳内での神経細胞の活動の追跡、ショウジョウバエの胚発生での組織の動きの追跡、さらには線虫の幼生での動き回る構造の追跡が可能になります。独自のワンショット・ワンボリュームイメージングにより、重要なイベントを見逃すことなく歪みも防げます。完全なボリュームにおける高い時間分解能での粒子追跡がついに実現しました。共焦点顕微鏡観察のサンプル調整を変更することなく、すぐに実験を開始できます。
生体を一瞬で3D高速イメージング
生体試料の3D情報の取得は、特にラージボリュームのサンプルにおいて常に課題となってきました。光学セクショニングでは、Zスタックを作成するために単一画像を順次取得する必要があります。各スライスは光照射を必要としますが、その光は照射面だけに限定されるわけではなく、ボリューム全体で有害な量にまで簡単に達してしまう可能性があります。Lightfield 4Dは異なる仕組みで動作します。1回の照射で完全なZスタックを取得し、露光と光毒性効果を最小限に抑えます。これにより、生体試料を長期間にわたって高い時間分解能でイメージングすることができます。この優れた3Dイメージング速度と極めて低ダメージな特性の組み合わせにより、記録される生体活動を妨げることなく、試料をマルチカラーで経時的に追跡することができます。組織や生物における発生過程、細胞移動、小胞の動き、または数時間から数日を要するその他の変化を観察するだけでなく、そのダイナミクスを理解するために必要な時間分解能も同時に得ることができます。
通常、ラージボリュームの取得時間は、イメージングのスループットを制限する重要な要素となります。Lightfield 4Dは、ワンショットで大容量のデータを瞬時に取得できるため、実験のスピードが飛躍的に向上します。Lightfield 4Dにより比類ないスピードでマルチカラー・ボリュームイメージングが可能になることで、さまざまな方法で実験の生産性を向上させることができます。すなわち、これまで以上に多くの試料を1回のセッションで画像化・解析でき、実験効率を改善します。さらに、野生型と遺伝子組み換え型の表現型を持つ複数の異なる試料群、または異なる薬剤処理した試料を比較することもできます。数時間ではなく、必要なデータの取得にわずか数分しかかからないため、データセットの高度な解析や研究により多くの時間を割くことができます。
レーザー走査型顕微鏡(LSM)は、最も多用途な顕微鏡システムとして実績があります。これにより、超解像やスペクトルイメージングを、大型試料の高品質な光学セクショニングと組み合わせることが可能になり、さらに蛍光情報や分子ダイナミクス測定を追加する機能も備えています。この卓越した柔軟性を、Lightfield 4Dの低ダメージで瞬時のボリュームイメージングと組み合わせることで、実験を次のレベルへと引き上げましょう。
思考するゼブラフィッシュ:生物発生における神経活動の解析
カルシウムシグナルを神経活動の代替指標として撮影することは、多くのモデルシステムで広く使用されている技術です。これらの信号はミリ秒単位で急速に発生し、高い時間分解能が必要です。
この動画はゼブラフィッシュの脳内におけるカルシウムシグナルを示しています。Lightfield 4Dの大規模なボリュームとスピードのおかげで、互いに50 µm以上離れたニューロンも同時に記録することができます。追加の高分解能データは、Airyscan CO-8Yモードを使用して取得されました。
受精後4日目のゼブラフィッシュ幼生において、カルシウムレポーターGCaMP6を発現させた個体から取得したデータ。画像ボリューム:361 x 361 x 109 µm³、91 msの露光時間、10 Volume /秒(661タイムポイント)ボリュームイメージング。LUTは低輝度を青、高輝度を赤から白で表示。
ご提供:Anton Nikolaev, University of Sheffield, UK.データ取得:Wolfson Light Microscopy Facility in the School of Biosciences at the University of Sheffield.
生物学的プロセスの本質を真に捉えるにあたって、ボリュームと時間はともに生体システムの研究に不可欠な要素であるため、イメージングは4Dで行う必要があります。この概念は新しいものではなく、過去数十年にわたり、この要件を満たすために多くの光学セクショニング技術が開発されてきました。しかし、これらの方法は通常、ボリュームのZスタック画像を作成するために画像取得を順次行うことに依存しており、そのためサンプルボリューム内で時間差が生じ、イメージング速度や取得したデータの時間・空間分解能精度が大きく制限されてしまいます。
Lightfield 4Dは、試料全体を正確なタイムポイントで遅延なくイメージングする独自のソリューションを提供します。異なるタイムポイントで2D画像を取得する代わりに、対物レンズとカメラの間に配置されたマイクロレンズアレイが37枚の個別画像を生成し、すべての3D情報を同時に取得します。これらの異なる視点はそれぞれ、空間情報と角度情報の両方を提供し、デコンボリューションベースの処理によってZスタックを作成するための基盤となります。この方法により、Lightfield 4Dは1秒あたり80ボリュームのZスタックを生成できます。
試料の処理および調製方法は、倒立顕微鏡を使用する際の他の蛍光イメージングと同じです。
はい、Lightfield 4D検出にはカメラを使用します。
Lightfield 4Dでは、蛍光励起にZEISSの標準的なワイドフィールド用固体光源を使用します。
はい、1回の実験で複数のカラーチャンネルを取得できます。また、2色であれば、最大40ボリューム毎秒のイメージングが可能です。励起範囲は385~740 nmです。
再構成されたボリュームのサイズ(x、y、z)は使用する対物レンズによって異なります。多数の標準対物レンズから選択可能です。推奨対物レンズ、その仕様、および再構成されるボリュームの詳細は、Lightfield 4DのパンフレットmatahaLSM 990とLSM 910の製品情報カタログに記載されています。
最大分解能は2.2 x 2.2 x 2.8 µm³(x, y, z)で、40倍対物レンズを使用した場合に達成できます。詳細はLightfield 4Dの製品パンフレットやLSM 990とLSM 910の製品情報カタログをご参照ください。
ボリュームあたりの画像処理時間は、使用する対物レンズ、すなわち撮影できるボリュームサイズと処理設定によって異なります。ほとんどの場合、100ボリュームの処理にかかるのはわずか40~60秒です。
はい、Lightfield 4DはLSM 990 NLOの多光子構成とAxio Observerを組み合わせることが可能です。
Lightfield 4Dのデータは、特殊なデコンボリューション処理を用いて処理されます。追加のDCVやノイズ除去は不要であり、これらを適用しても画質の向上は見込めません。Lightfield 4Dの処理結果は、標準的なz-stackとしてZEN .cziフォーマットで保存され、さらなる解析に使用できます。
はい、両方のイメージングモードは互いに補完し合い、1回の実験で組み合わせることができます。例えば、異なる時間分解能や空間分解能でイメージングしたり、LSMを用いた光操作実験(光変換など)を行った後に、Lightfield 4Dで低光毒性のイメージングを行うことができます。
はい、ZEISS LSMシステムで使用可能なすべての試料キャリアおよびインキュベーションオプションが、Lightfield 4Dでも使用できます。
Lightfield 4Dは、Axio Observerを搭載したLSM 910またはLSM 990システムに統合される形で提供されます。利用可能な構成オプションについては、ZEISSジャパンまでお問い合わせください。