材料研究向けに集束イオンビームミリングで作製されたナノ流体チャネルのSEM画像。

材料研究および3D特性評価のためのZEISS Crossbeam FIB-SEM

マイクロスケールからナノスケールまでの2Dおよび3D特性評価

集束イオンビーム走査電子顕微鏡(FIB-SEM)は、集束イオンビームを用いた精密な材料加工と高分解能イメージングを組み合わせたものです。ZEISS Crossbeamは、単一のプラットフォーム上でイメージング、3D解析、およびミリングを可能にします。

深部にある構造へのアクセス、断面作製、およびナノメートルスケールの精度での3次元解析を実現します。

Crossbeam FIB-SEM顕微鏡を用いて解析したナノスケール材料構造を示すSEM画像。

リチウムイオン電池のNMCカソード材料。3D再構成、体積サイズ:136 µm × 52 µm × 50 µm。左:SE2信号の画像スタック、右:EDSマップ(青は活性カソードであるNMC粒子、黄色はバインダー)。CrossbeamおよびAtlas 5により取得。

高精度かつ再現性の高いワークフローによるマルチスケール特性評価

包括的な試料特性評価は、材料研究の中核をなしています。研究者は、加工プロセスおよび性能を最適化するために、材料の構造と特性を理解する必要があります。3D材料解析は通常、調査対象となる関心領域の特定から始まり、その後、制御された材料除去へと進みます。ZEISS Crossbeamは、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)のイメージング機能および分析機能と、ZEISS Ion-sculptor FIBカラムを組み合わせることで、研究業務の効率化を実現します。Crossbeamの汎用性を活かし、以下のワークフローを実行できます:

  • 断面作製
  • 3Dトモグラフィー
  • 3D解析
  • ナノファブリケーション
  • TEMラメラまたはAPT試料の作製
  • 極低温解析
材料研究向けに集束イオンビームミリングで作製された断面のSEM画像。
材料研究向けに集束イオンビームミリングで作製された断面のSEM画像。
試料ご提供:D. Willer, MPA Stuttgart, DE

多層金属。電池コンタクトに使用される銀/ニッケル/銅の積層系をFIBにより断面作製し、1 kVにて全検出器を同時に用いたクアッドモードで撮像。左上から時計回りに、Inlens SE、SE、Inlens EsB、Inlens SEとSEの混合像。

試料ご提供:D. Willer, MPA Stuttgart, DE

多層金属。電池コンタクトに使用される銀/ニッケル/銅の積層系をFIBにより断面作製し、1 kVにて全検出器を同時に用いたクアッドモードで撮像。左上から時計回りに、Inlens SE、SE、Inlens EsB、Inlens SEとSEの混合像。

ナノメートル精度での断面作製

材料を3Dで解析し、試料表面のさらに奥にある構造まで観察できます。FIBの高電流性能により、迅速なバルク除去が可能です。低エネルギー仕上げにより、ダメージを最小限に抑えた試料作製を実現します。ミリング中のライブSEMイメージングにより、「加工しながら観察」を実現し、試料作製中の継続的な確認と加工の微調整が可能になります。

その結果、トレンチ加工や高品質な断面作製後も、高い再現性で最先端のバルク解析が可能となります。

材料研究におけるマイクロ・ナノ構造解析に用いられる3D FIB-SEMトモグラフィーデータセット。
固体酸化物形電解セル。老朽化した固体酸化物形電解セルのEDS分析と組み合わせた集束イオンビーム搭載SEM 3Dトモグラフィー(関心体積の最小辺長:38 µm)。試料ご提供: M. Cantoni, EPFL Lausanne, CH.
試料ご提供: M. Cantoni, EPFL Lausanne, CH.

マイクロ・ナノ構造解析およびナノファブリケーションのための3D FIB-SEMトモグラフィー

制御されたイオンビームミリングによる断面作製により、ナノおよび微細構造の三次元解析が可能になります。

Crossbeamは、長時間の連続運転においても一定のスライス厚を維持しながら、手動および自動ミリングに対応します。Ion-sculptor FIBの機械的および熱的安定性により、長時間のトモグラフィー実験中のドリフトを低減するとともに、ZEISS Gemini電子光学SEMカラムのオートフォーカスおよびオートスティグメーションなどの自動機能により、画像スタック取得全体を通じて高い画質を維持します。

ZEISS Atlas 5と組み合わせることで、10 nm未満の高い等方性ボクセル分解能で試料体積の3Dトモグラフィーを実現します。Crossbeamに分析機能が搭載されている場合、自動3D EDSおよび3D EBSD分析を実行できます。構造、化学組成、および結晶学的情報を同一の体積データセットから取得できます。

試料作製および材料解析のためのFIB-SEMワークフロー

主な機能

  • 材料特性評価のためのTEMラメラ作製に用いられた集束イオンビームミリングを示すSEM画像。
    材料特性評価のためのTEMラメラ作製に用いられた集束イオンビームミリングを示すSEM画像。

    ZEISS Crossbeamによる自動ラメラ作製の成果。TEMグリッドの3本のポストそれぞれに、バルクから自動リフトアウトされたラメラが1回の作製工程で取り付けられています。各ラメラは異なるサイズで加工されている点にも注目してください。

    ZEISS Crossbeamによる自動ラメラ作製の成果。TEMグリッドの3本のポストそれぞれに、バルクから自動リフトアウトされたラメラが1回の作製工程で取り付けられています。各ラメラは異なるサイズで加工されている点にも注目してください。

    TEMラメラ作製ワークフロー ― 完全自動化と高い柔軟性

    ラボにおける効率、品質、および再現性を向上させます。TEMラメラ作製により、材料特性のナノスケール評価が可能になります。

    さまざまな材料に応じてFIBパラメータを最適化し、レシピライブラリを構築し、さまざまなサイズのラメラを作製して高品質な試料を得ることができます。Crossbeamは、トレンチングからリフトアウト、薄片化までのガイド付きワークフローを提供し、ミリング中のライブSEMモニタリングによりエンドポイントを制御します。低加速電圧FIB仕上げにより、ダメージ感受性の高い試料におけるアモルファス化を低減します。一度きりの貴重な試料(「once in a lifetime sample」)を扱う場合には各工程を手動で実行し、同一作業を繰り返す場合には自動実行を選択できます。実験のニーズに応じて最適な方法を選択できます。

    高スループット環境向けには、Crossbeam Samplefabにより、バルク試料からTEMグリッドまでの自動マルチサイトワークフローを実現します。

  • 鋼試料において、両側に200 µmのクリアランスを確保した幅1 mmの断面を、フェムト秒レーザーにより30秒未満で加工。このパターンは、試料材料断面のミクロ組織を調べる場合や、後にFIB-SEMトモグラフィーを行う場合の前作製に使うことができます。
    鋼試料において、両側に200 µmのクリアランスを確保した幅1 mmの断面を、フェムト秒レーザーにより30秒未満で加工。このパターンは、試料材料断面のミクロ組織を調べる場合や、後にFIB-SEMトモグラフィーを行う場合の前作製に使うことができます。

    鋼試料において、両側に200 µmのクリアランスを確保した幅1 mmの断面を、フェムト秒レーザーにより30秒未満で加工。このパターンは、試料材料断面のミクロ組織を調べる場合や、後にFIB-SEMトモグラフィーを行う場合の前作製に使うことができます。

    鋼試料において、両側に200 µmのクリアランスを確保した幅1 mmの断面を、フェムト秒レーザーにより30秒未満で加工。このパターンは、試料材料断面のミクロ組織を調べる場合や、後にFIB-SEMトモグラフィーを行う場合の前作製に使うことができます。

    ZEISS LaserFIBで深部にある構造へ迅速にアクセス

    大量の試料を迅速に除去する必要がある場合、ZEISS LaserFIBはCrossbeamに統合されたフェムト秒レーザーにより、数分でミリメートルスケールのアブレーションを実現します。
    これにより、以下のことが可能になります:

    • 深部にある関心領域への迅速なアクセス
    • ミリメートルスケールの断面作製
    • EBSDおよびEDS分析に適した表面の形成
    • デブリ処理専用のレーザーチャンバーによるFIB-SEMの保護

    レーザー処理後は、必要に応じてFIBでナノメートル精度の最終研磨を行うことができます。

  • 複数の金属層を持つ水晶発振器。EDS分析により、各層に異なる元素が存在することが明らかになった。イメージングはCrossbeamで取得され、表面はCrossbeamレーザーで作製され、微細研磨はIon-sculptor FIBカラムで実施された。左上:Inlens SE、右上:Inlens EsB、左下:SESI、右下:EDSマップ。
    複数の金属層を持つ水晶発振器。EDS分析により、各層に異なる元素が存在することが明らかになった。イメージングはCrossbeamで取得され、表面はCrossbeamレーザーで作製され、微細研磨はIon-sculptor FIBカラムで実施された。左上:Inlens SE、右上:Inlens EsB、左下:SESI、右下:EDSマップ。

    複数の金属層を持つ水晶発振器。EDS分析により、各層に異なる元素が存在することが明らかになった。イメージングはCrossbeamで取得され、表面はCrossbeamレーザーで作製され、微細研磨はIon-sculptor FIBカラムで実施された。左上:Inlens SE、右上:Inlens EsB、左下:SESI、右下:EDSマップ。

    複数の金属層を持つ水晶発振器。EDS分析により、各層に異なる元素が存在することが明らかになった。イメージングはCrossbeamで取得され、表面はCrossbeamレーザーで作製され、微細研磨はIon-sculptor FIBカラムで実施された。左上:Inlens SE、右上:Inlens EsB、左下:SESI、右下:EDSマップ。

    高度な化学・結晶構造解析

    同一ワークフロー内でイメージングと分析を組み合わせることで、試料から構造情報、化学組成情報、または結晶学的情報を導き出します。3D EDS検出器と3D EBSDカメラにより、トモグラフィー測定中でも分析データを取得できます。ToF-SIMSを追加することで、優れた表面感度を持ち、同位体を識別できます。ppmレベルまでのイオン検出により、リチウムなどの軽元素の分析が可能になります。10 nm未満の深度分解能を実現し、同位体分析および深度プロファイリングを用いて試料を詳細に解析できます。

材料研究への応用

  • 極低温条件により、この金属有機骨格(MOF)試料内のニッケル金属中心が明瞭に可視化されている。
  • この画像は、達成可能なレーザー照射のターゲティング精度を示している。ターゲットはFIBにより加工された。レーザースポットはターゲット中心を狙って照射されている。試料:シリコン。
  • 薄膜試料(多層ヘテロスタック)の高分解能イメージング。Crossbeam 750で取得。左:Inlens EsB、右:Inlens SE。
  • ニッケル上の金層。Crossbeamで作製されたTEMラメラ。
  • アトムプローブトモグラフィー(APT)。Crossbeamレーザーで作製されたシリコンの試料。イオンビーム誘起デポジションで特定の部位をマークし、作製。まず、レーザー加工でピラーをバルクから分離。次に、集束イオンビームによるミリングで試料を形成する。
  • FIB-SEMナノファブリケーションにより作製されたシーブ状ゾーンプレートナノ構造の高分解能電子顕微鏡像
  • 機械的試験用に金属試料へパターン形成されたマイクロスケール圧縮ピラーアレイ
  • 左側はミリメートル幅断面の拡大解析画像。レーザーアブレーションのみを用いることで、EBSDおよびEDS解析に十分な平滑性を持つ断面を形成できる。SE像(左上)、粒子構造(EBSD)(右上)、Fe組成(EDS)(左下)、Mn組成(EDS)(右下)
  • ニッケル金属中心が明瞭に観察された金属有機骨格(MOF)試料。Crossbeamを用いて極低温条件下で処理・撮像されたもの。
    ニッケル金属中心が明瞭に観察された金属有機骨格(MOF)試料。Crossbeamを用いて極低温条件下で処理・撮像されたもの。

    ニッケル金属中心が明瞭に観察された金属有機骨格(MOF)試料。Crossbeamを用いて極低温条件下で処理・撮像されたもの。

    ニッケル金属中心が明瞭に観察された金属有機骨格(MOF)試料。Crossbeamを用いて極低温条件下で処理・撮像されたもの。

  • FIB-SEMワークフローを用いて解析したナノスケール材料構造のSEM画像。
    FIB-SEMワークフローを用いて解析したナノスケール材料構造のSEM画像。

    この画像は、Crossbeamレーザーによって達成可能なレーザー照射のターゲティング精度を示している。ターゲットはFIBにより加工された。レーザースポットはターゲット中心を狙って照射されている。試料:シリコン。

    この画像は、Crossbeamレーザーによって達成可能なレーザー照射のターゲティング精度を示している。ターゲットはFIBにより加工された。レーザースポットはターゲット中心を狙って照射されている。試料:シリコン。

  • ZEISS Crossbeam 750で撮影した、高分解能材料特性評価のための多層薄膜ヘテロ構造のSEM画像。
    ZEISS Crossbeam 750で撮影した、高分解能材料特性評価のための多層薄膜ヘテロ構造のSEM画像。

    薄膜試料(多層ヘテロスタック)の高分解能イメージング。Crossbeam 750で取得。左:Inlens EsB、右:Inlens SE。

    薄膜試料(多層ヘテロスタック)の高分解能イメージング。Crossbeam 750で取得。左:Inlens EsB、右:Inlens SE。

  • ZEISS Crossbeam FIB-SEMを用いて作製した、ニッケル上の金層を示すTEMラメラのSEM画像。
    ZEISS Crossbeam FIB-SEMを用いて作製した、ニッケル上の金層を示すTEMラメラのSEM画像。

    ニッケル上の金層。Crossbeamで作製されたTEMラメラ。

    ニッケル上の金層。Crossbeamで作製されたTEMラメラ。

  • ZEISS CrossbeamレーザーおよびFIBミリングを用いてアトムプローブトモグラフィー用に作製されたシリコン針のSEM画像。
    ZEISS CrossbeamレーザーおよびFIBミリングを用いてアトムプローブトモグラフィー用に作製されたシリコン針のSEM画像。

    アトムプローブトモグラフィー(APT)。Crossbeamレーザーで作製されたシリコンの試料。イオンビーム誘起デポジションで特定の部位をマークし、作製。まず、レーザー加工でピラーをバルクから分離。次に、集束イオンビームによるミリングで試料を形成する。

    アトムプローブトモグラフィー(APT)。Crossbeamレーザーで作製されたシリコンの試料。イオンビーム誘起デポジションで特定の部位をマークし、作製。まず、レーザー加工でピラーをバルクから分離。次に、集束イオンビームによるミリングで試料を形成する。

  • FIB-SEMナノファブリケーションにより作製されたシーブ状ゾーンプレートナノ構造の高分解能電子顕微鏡像
    FIB-SEMナノファブリケーションにより作製されたシーブ状ゾーンプレートナノ構造の高分解能電子顕微鏡像

    ZEISS CrossbeamおよびAtlas 5 NPVE Advancedを用いてナノファブリケーションされたシーブ状ゾーンプレート。Atlas 5により、この構造は32k × 24kピクセルの単一画像として取得されている。

    ZEISS CrossbeamおよびAtlas 5 NPVE Advancedを用いてナノファブリケーションされたシーブ状ゾーンプレート。Atlas 5により、この構造は32k × 24kピクセルの単一画像として取得されている。

  • 機械的試験用に金属試料へパターン形成されたマイクロスケール圧縮ピラーアレイ
    機械的試験用に金属試料へパターン形成されたマイクロスケール圧縮ピラーアレイ

    ZEISS Crossbeam Laserのフェムト秒レーザーを用いて、ハイエントロピー合金中の圧縮試験用ピラーアレイを自動バッチ処理。

    ZEISS Crossbeam Laserのフェムト秒レーザーを用いて、ハイエントロピー合金中の圧縮試験用ピラーアレイを自動バッチ処理。

  • 左側はミリメートル幅断面の拡大解析画像。レーザーアブレーションのみを用いることで、EBSDおよびEDS解析に十分な平滑性を持つ断面を形成できる。SE像(左上)、粒子構造(EBSD)(右上)、Fe組成(EDS)(左下)、Mn組成(EDS)(右下)

    左側はミリメートル幅断面の拡大解析画像。レーザーアブレーションのみを用いることで、EBSDおよびEDS解析に十分な平滑性を持つ断面を形成できる。SE像(左上)、粒子構造(EBSD)(右上)、Fe組成(EDS)(左下)、Mn組成(EDS)(右下)

材料研究における応用分野

多様な応用分野にわたり材料研究を行うことができます:

  • 低次元材料、薄膜、量子研究や半導体研究向け材料などのナノ材料
  • 金属、合金、セラミックス、複合材料
  • 電池、太陽電池、燃料電池などのエネルギー材料
  • 硬岩や多孔質媒体などの地質試料

ナノパターニングからトモグラフィーまで、精度と再現性を維持しながら、進化する研究課題に応じてシステムを柔軟に適用できます。

よくあるご質問

  • ZEISSは低加速電圧イメージング、制御されたイオンビームミリング、および低エネルギー仕上げを採用し、試料作製に起因するアーティファクトを最小限に抑えています。これらの手法はビームダメージを低減し、感受性の高い相や界面の保持に寄与します。標準化されたワークフローにより、ユーザーやラボを問わず一貫した結果が得られます。

  • X線顕微鏡法は、FIBミリング前に試料内部の埋没構造を特定するために非破壊的な3D情報が必要な場合に最適です。これにより、研究者はFIBによる断面作製、トモグラフィー用の連続切片作製、あるいはTEMラメラ作製に先立ち、特定の関心領域(ROI)や関心体積(VOI)を識別し、標的とすることができます。これによりターゲティング精度が向上し、イオンビームによる不要な材料除去が低減されます。

  • 相関ワークフローは、SEM、FIB-SEM、X線データなど複数の顕微鏡モダリティを連携させ、異なる長さスケールにわたって表面の特徴と内部構造を結び付けます。これにより解釈のギャップが低減され、構造―物性相関の信頼性の高い解析が可能になります。


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