
空間生物学イメージングシステム
「複雑」から「明確」へ:大規模ワークフローの自動化複雑な情報を明確にし、研究をさらにレベルアップさせましょう。ZEISSの空間生物学ソリューションは、空間プロファイリングをワークフローへスムーズに統合し、大規模かつ効率的で一貫性のあるマルチプレックス空間プロファイリングを実現します。ZEISSは、研究を加速し、より深い洞察をもたらすことで、細胞システムに対する理解を革新し、病理学の未来を切り拓きます。
空間生物学の力を最大限に引き出す
空間生物学は、生体組織内における細胞の存在、存在量、空間分布、さらには細胞間相互作用の詳細な解析を可能にします。複数のバイオマーカーによるマルチプレックス免疫蛍光(mIF)を活用することで、1枚の組織切片内で多種のタンパク質を同時に可視化・定量化でき、従来の手法を超えた深い洞察が得られます。
この強力なアプローチにより、腫瘍への免疫細胞の浸潤、病原体と宿主の相互作用、炎症反応、代謝異常、神経免疫コミュニケーションなど、複雑な生物学的プロセスをより深く理解することが可能になります。空間生物学は、免疫腫瘍学、感染症研究、神経学、代謝・循環器疾患、再生医療など、様々な分野の革新を加速させ、より正確かつ予測可能な診断への道を切り拓いています。

大規模かつ再現性のあるマルチプレックス空間プロファイリングを効率的に実現
トランスレーショナル・リサーチや免疫腫瘍学の研究者、またはサービスラボとして、ハイスループットを維持しながら、正確かつ再現性のあるデータ取得を可能にする包括的なソリューションをお探しですか?ZEISSのバイオ医薬品分野、学術医療センター、CRO向け組織マルチプレックスワークフローは、空間生物学手法の経験がない通常の病理検査ラボでも、大規模なコホートに対し、一貫性のある豊富なバイオマーカーデータを提供できるよう支援します。
このワークフローは、タイトなスケジュールでも大規模コホートにおいてその効率性を最大限に発揮します。標準化された手法により、複数施設にわたる臨床試験を長期にわたり一貫して実施でき、再現性の高い結果を得ることが可能です。さらに、データ解析とレポート作成を合理化することで、複数のパラメーターを評価して実用的な洞察を得られるようになります。
空間生物学ワークフローで「試料取得からレポート作成まで」をシームレスに
ZEISSの空間生物学ソリューションは、ハイスループットのマルチプレックス免疫蛍光(mIF)イメージングと解析を、よりシンプルにして、堅牢性、スケーラブル、そしてアクセス性を高め、誰もが利用しやすいものにします。このシームレスな組織マルチプレックスワークフローは、空間生物学の専門知識を持たないルーチン組織病理学ラボでも、包括的かつ再現性のあるバイオマーカーデータを大規模コホートで取得できるように設計されています。自動化、最適化されたイメージング、そしてAIによる解析を組み合わせることで、空間プロテオミクスのトランスレーショナルな導入と、臨床への移行を力強く後押しします。空間生物学向けイメージングシステム
試薬 - 組織Multiplex染色用にカスタマイズ1
スターターバンドルには、Ultivue社の「T-Act」バイオマーカー解析用OmniVUE™試薬キットが含まれており、さらには最適化されたAI解析プラットフォームであるSTARVUE™も含みます。Ultivue社の技術の中核を成すのは、次の2つの技術プラットフォームです:
InSituPlex® |
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STARVUE™ |
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UltivueのアッセイソリューションをZEISSの新しいエンドツーエンドワークフローに統合することで、正確で信頼性が高く再現性のあるデータの迅速な取得が可能になります。
エンドツーエンドの空間生物学ワークフロースターターバンドル
試料取得からレポート作成までをシームレスに
よくあるご質問
空間生物学向けAxioscan 7
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空間生物学向けAxioscan 7は、Kromnigon社のSpectraClick試薬に対応しており、最大8チャンネルの蛍光分離が可能です。一般的なパネルでは、7つのターゲットマーカー+DAPIで構成されます。対応する蛍光色素には、DAPI、CFP、GFP、DsRed、Cy3、Cy5、Cy7、およびそれらと類似のスペクトル特性を持つ蛍光色素が含まれます。8チャンネルまでであれば、1回の染色・イメージングで完結できます。14や28など、より多くのマーカーを扱う場合は、繰り返し染色とイメージングを組み合わせることで対応可能です。
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本システムは、内蔵フィルターセットに適合した幅広い推奨試薬および蛍光色素に対応しています。最適化されたアッセイを使用し、隣接するチャンネル間のシグナル強度がバランスよく調整されていれば、チャンネル間の干渉(クロストーク)は通常約4%と最小限です。必要に応じて、統合されたスペクトルアンミキシングを自動後処理として適用することで、ユーザー操作なしにさらなるシグナルの明瞭化が可能です。
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本システムは最大100枚のスライド(25トレイ、各4枚)を収納可能です。高度な自動化と高速スキャンにより、1日100枚以上のスライドをイメージングできます。5-Plexおよび8-Plexの場合、10 mm²の組織領域をそれぞれ約3分から10分程度でスキャン可能です。
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Axioscan 7をご利用の場合は、空間生物学向け構成へのアップグレードが可能です。Axioscan Z.1からのアップグレードには対応しておりません。移行サポートの詳細については、お近くのZEISSセールス・サポートチームまでお問い合わせください。
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いいえ。抗体染色は機器外で行います。アッセイシステムによっては、スキャン前にパネル全体を一度に、あるいは複数回に分けて、手動または自動染色装置を用いて染色することができます(空間生物学向けAxioscan 7システム使用時)。
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はい、可能です。1回の実行で最大100枚のスライドを含めることができ、それぞれに複数の組織切片やコアが含まれている場合もあります。mIFや発色アッセイで染色された組織には、試料ごとにあらかじめ設定されたスキャンプロファイルを選択でき、1つの自動化されたワークフローで多様な実験を一括して処理することが可能です。
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最適なスキャンを行うためには、組織の厚さは2〜10 μmを推奨します。より厚い切片の場合も、Zスタックイメージングにより複数の焦点面を取得し、高品質なデータ取得が可能です。
データ解析アルゴリズムで最良の結果を得るには、2〜5 μmの厚さを推奨します。
SlideStreamワークフローマネージャー
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いいえ、顕微鏡の事前知識や経験は不要です。ソフトウェアとスキャナーは直感的なインターフェースと自動化されたワークフローを備え、最小限のトレーニングまたはトレーニングなしで、どなたでも効率的にシステムを操作できます。
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本システムには、対応試薬プロバイダーによるアッセイ向けに最適化されたスキャンプロファイルがライブラリとしてあらかじめ登録されています。さらに、ユーザーのLIMSやラボノートシステムと統合することで、Axioscanは試料情報(アッセイタイプなど)を自動で取得し、適切なスキャンプロファイルを自動適用します。これにより、手動による設定や専門的なトレーニングが不要になります。
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はい、可能です。SlideStreamにはカスタムアッセイの設定を簡単に行える機能が搭載されており、ユーザーは複雑な設定なしにスキャンや解析の条件を素早く定義できます。これにより、新しいアッセイへの柔軟な対応が可能となり、ワークフローの効率と使いやすさが維持されます。
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はい、可能です。試料名とアッセイタイプ情報を含むシンプルなCSVファイルをインポートし、システムにアップロードしてシームレスに運用できます。または、ソフトウェアのインターフェースで試料情報を手動入力し、該当するアッセイを選択してスキャンを開始することも可能です。
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Axioscan 7は、スライドラベルに印刷されたQRコードやバーコードをスキャンすることでLIMSと接続します。スキャナーは試料上のコードからスライドの固有IDを読み取り、LIMSから必要な追加情報を取得します。これにより、SlideStreamインターフェースに関連情報が自動的に入力され、ワークフローの効率化と手動でのデータ再入力の手間削減が実現します。
画像管理システムおよびデータ解析プラットフォーム
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最適なパフォーマンスを確保するために、最新バージョンのGoogle Chrome、安定したインターネット接続(帯域幅10 Mbps以上)、および最新のオペレーティングシステムを搭載したコンピューターの使用を推奨します。これらの要件を満たすことで、プラットフォームをスムーズかつ快適に操作できます。
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スキャナーでのスキャンが完了すると、SlideStreamワークフローを通じて画像データは自動的に顧客専用のクラウドサーバーにアップロードされます。アップロードされた画像は即座にmIF IMSで確認可能です。このシームレスなデータ転送を実現するには、スキャナーが常時インターネットに接続されている必要があります。
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いいえ。IMSはブラウザベースのシステムであり、インターフェースにアクセスするにはブラウザが必要です。ただし、クラウドを使用しないローカル環境での導入も可能で、この場合もブラウザは使いますが、すべてがユーザーのネットワーク内で完結します。このローカル構成では、ZEISSのDocker化されたAIモデルがオンプレミスにインストールされ、画像データおよび解析結果はすべてローカルインフラ内に留まります。導入に関する詳細は、お問い合わせください。
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MindpeakのIMSおよびAIワークフローは、現時点ではZEISS SlideStreamなしで単独で使用するスタンドアローン版は提供されていません。ただし、現在このオプションの開発が進められています。その一方で、既存のIMSプラットフォームとのカスタマイズ統合を提供しています。結果をMindpeak IMSのブラウザウィンドウで別途表示する軽微な統合から、サードパーティのIMSビューア内に結果を直接埋め込む高度な統合まで、様々なレベルの対応が可能です。Paige、Sectra、Philips、Prosciaなど16のIMSプロバイダーとの連携実績により、mIFワークフローへのシームレスな統合を実現しています。
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はい、ローカル展開可能です。大量の画像データを扱う場合や、ローカルでのデータ保存が求められるお客様には、ハイブリッド展開のオプションも提供しています。この構成では、データはお客様のサーバーに保存され、処理はMindpeakのセキュアなクラウドインフラ上で行われます。これにより、ストレージコストを抑えながら、機密性の高いデータをより高い制御性をもって管理することができます。
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細胞は、核の対比染色(例:DAPI)および各マーカーチャンネルの入力に基づいて、基盤モデルによって検出されます。従来のAIを使わない手法とは異なり、細胞の目に見える形態情報に基づいて細胞を認識するため、非常に高い堅牢性を備えています。基盤AIモデルは、何万枚もの画と様々なマーカーや組織タイプにまたがる数百万のデータポイントから構築されており、追加のトレーニングなしで類似マーカーの検出が可能です。
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ストレージ容量の制限は、導入されたパッケージに応じて、お客様のITインフラによって決まります。ニーズや予算に応じて、追加のストレージ容量をその都度追加することも可能です。
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インターネット接続は100 Mbit/s以上を推奨しており、大容量画像の処理やマルチユーザー環境では1 Gbit/sが理想的です。最適な操作環境のために、Google Chrome(バージョン120以上)のご使用を推奨します。
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ZEISSは、AWSやHetznerなどのISO 27001認証を取得したクラウドプロバイダーとのみ提携し、エンタープライズレベルのデータ保護を実現しています。すべてのデータは保存時および送信時の両方で暗号化されており、定期的にセキュリティ監査を実施することで、お客様の機密性の高い研究データを保護しています。これらの対策により、お客様のデータは常に安全に保護され、プライバシーが確保され、完全にお客様自身の管理下に置かれます。
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